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新しいトピックス(裁判員制度)(2008.1)

裁判員制度が来年の5月までに導入されることが決定しております。そこで、今回はこの裁判員制度について,その基礎をQ&A形式でお伝えします。

Q 裁判員制度とはそもそもどういう制度ですか。

A 裁判員制度とは、刑事裁判に、国民のみなさんから選ばれた裁判員が参加する制度です。裁判員は、刑事裁判の審理に出席して証拠を見聞きし、裁判官と対等に議論して、被告人が有罪か無罪か(被告人が犯罪を行ったことにつき「合理的な疑問を残さない程度の証明」がなされたかどうか)を判断します。「合理的な疑問」とは、みなさんの良識に基づく疑問です。良識に照らして、少しでも疑問が残るときは無罪、疑問の余地はないと確信したときは有罪と判断することになります。有罪の場合には、さらに、法律に定められた範囲内で、どのような刑罰を宣告するかを決めます。裁判員制度の対象となるのは、殺人罪、強盗致死傷罪、傷害致死罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪などの重大な犯罪の疑いで起訴された事件です。原則として、裁判員6名と裁判官3人が、ひとつの事件を担当します。

Q だれでも裁判員になることができますか。

A 衆議院議員の選挙権を有する方であれば、原則として裁判員になることができます。
裁判員になるために特別の資格は必要ありません。例外的に裁判員になることができないのは、裁判員法が定める欠格事由に該当する方(国家公務員となる資格のない方など)、就職禁止事由に該当する方(行政機関の幹部職員、法曹関係者など)、審理される個別の事件と一定の関係のある方(被告人または被害者の親族など)、その他、裁判所によって不公平な裁判をするおそれがあると認められた方です。

Q 裁判員を辞退することはできますか。

A 裁判員を辞退することは原則として認められませんが、裁判員法が定める事由に該当する方は、例外的に辞退を申し出ることができます。具体的には、年齢が70歳以上の方、会期中の地方公共団体議会の議員、学生、生徒などは、辞退を申し出ることができます。同居している親族の介護や養護を行う必要があるために裁判員の職務を行うことが困難な場合にも、辞退の申出が可能です。また、単に「仕事が忙しいから」という理由で辞退することはできませんが、その方が用務を処理しなければ事業に著しい損害が生じる恐れがある場合には、辞退を申し出ることが認められます。

Q 審理が終わるのにどのくらいかかりますか。

A 事件によって異なります。犯罪事実に争いがない事件の場合には1日で終わることもありますが、争いのある事件の場合には、2日間以上にわたると思われます。なお、今般、刑事訴訟法の改正により、審理に2日間以上を要する事件については、できる限り連日開廷して審理を行わなければならないことが定められました。そして、裁判員が審理に参加する事件は、第1回公判前に、新設された公判前整理手続を行い、予め争点及び証拠を整理して連日開廷に備えることとされています。したがって、皆さんが裁判員として審理に参加する事件では、争いのある事件でも数日間で審理が終わることが多いものと見込まれます。

Q 裁判員の職務を終わるまで職場を離れることで解雇されることはありませんか。

A そのような心配はありません。
労働基準法7条は、労働者が「公の職務を執行するために」必要な時間を請求したときには、使用者はこれを拒んではならないことを定めています。そして、裁判員の職務も「公の職務」に当たりますので、裁判員としての職務が終わるまでは職場を離れることが認められなければなりません。裁判員法も、労働者が裁判員の職務を行うために休暇を取得したことなどを理由として労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないことを明記しています。

Q 法律の専門知識がなくとも裁判員はつとまるのですか。

A 裁判員が判断の権限を持つのは、(1)犯罪事実などの認定、(2)認定した事実の法律へのあてはめ、(3)有罪の場合における刑の種類と量の決定の3点です。そして、法律へのあてはめの前提となる解釈は裁判官から裁判員に示されますし、事実の認定や刑の決定は本来的に専門的な知識が必須とされるものではありません。皆さんの多種多様な知識や経験が発揮されることが期待されているのです。したがって、法律に関する専門知識がなくても、裁判員の職務は十分に務まります。

Q 裁判員の職務の過程で知ったことを家族などに話すことができますか。

A 裁判員は、評議の秘密や、評議以外の職務上知り得た秘密について、守秘義務を負っており、これらを外部に漏らしてはなりません。したがって、評議の秘密や、その他の守秘義務の対象となる秘密を家族や友人に話すことはできません。もっとも、裁判員の任務を果たした一般的な感想などを話すことは守秘義務に触れるものではありませんので、可能と考えられます。

Q 裁判員に選ばれることで家族が危害を加えられることはありませんか。

A 裁判員が事件関係者から危害を加えられることがないよう、裁判員法は、様々な定めを設けています。まず、裁判員やその親族などの生命、身体、財産に危害が加えられるおそれや、これらの者の生活の平穏が著しく侵害されるおそれがある場合には、裁判官だけで構成される合議体によって審理が行われることがあります。また、裁判員が審理に参加する場合には、裁判員の氏名等は公表されませんし、何人も事件に関連して裁判員等に接触することは禁止されています。さらに、裁判員等や、これらの職にあった者、またはその親族に対して、面会、文書送付、電話、その他方法を問わず威迫行為を行った者に対しては罰則が定められています。

Q 裁判員には日当や交通費はでますか。

A 裁判員には、日当と旅費が支給されるほか、裁判所から離れたところに住んでいるなど、裁判員としての職務を果たすために自宅以外に宿泊することが必要な場合には宿泊料も支給されることになっており、裁判員になられた方にできるだけ経済的な負担をかけないよう配慮されています。

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